個人事業主・個人経営の飲食店開業を主にお店を開店するまでの流れを、時系列のように綴ってありますのでご参考にどうぞ。
1.お店やりたい!
・どこで、どのようなお店を想像しますか?
・なにを召し上がっていただきましょう。
・どのように楽しんでいただきますか?
ご希望の街へ一緒に出かけて、物件探しがてらにぶらぶらしてみましょう。途中、よさそうな不動産屋さんがあれば何軒か、私が代わりにあいさつをしておきます。最初の面談の際に「家賃」の目安は決定しているはずです。10日もすれば次第に届き始める物件案内を簡単に整理してお渡しいたします。そのあいだは、ぜひお料理の試作やあちこちの視察をなさっていてください。調理師免許があれば結構ですが、お持ちでなければ食品衛生責任者の資格を取っておきましょう。https://www.toshoku.or.jp/training/seki-gaiyou.html まだまだ慌てず少しずつです、膨らんでいきます。わたしからのお伺いもありますし、気になる点をご相談いただければ対応させていただきます。
2.資金をどうしよう?
・開業に際する自己資金はどれくらいのご用意がありますか?
実はやはりこれに尽きます。お話を頂ける範疇でお伺いいたします。いきなりヘソクリまでは詮索いたしません。店舗の候補が絞られつつあると思いますので賃貸契約にかかる金額が、最初のドカンになります。家賃交渉の余地があると嗅げれば、できる限り挑みます。そうして、伺った営業形態・展開・立地などから大まかな算出をしている「開店総費用」から自己資金を引き、不足分の補填を開業地の区や市の政策に沿ってリスクの少ない(もらえるのは貰う!借りるならとにかく低金利)順にご案内いたします。自己資金で完結できそうと判断できれば、なるだけ残すようなお店作りを考えます。「実は….」というお話があれば、こっそりどうぞ。個人情報と秘密は厳守します。
3-1.いろんな契約
・いよいよ店舗を決定します。名前も決めますか!
・内装を考えるのが超たのしい。
・さまざまな取引先が徐々に訪れます。
「このへんは前の方の分じゃありませんか?ここの手直し期間での家賃は払えませんが?」などと話しているわたしを見かけるかもしれません。直前の業態の内装が残った「居抜き」と、全部をくりぬいたがらんどうの「スケルトン」、そのあいだの「半スケ(わたしはそう呼んでいます)」の状態により、工務店を頼むかわたしのチームで完結させるかの判断をいたします。後者は圧倒的に資金の節約になります。ただし工務店を呼んだとしても「ふっかけてるな?」と見えれば即座に対処いたします。あくまでわたしが片腕としておりますので、もしも棟梁が「こうしたほうがいい」と言い始めてもすぐには返事をせず、かならず一度は揉みましょう。この間はわたしも親方のひとりです、妥協はさせません。内装工事が軌道に乗れば、あとは任せて買い物へ出かけてみましょう。お店用の銀行口座がなければ、このあたりでサっと作ってきてください。食器や家具、こういった目線で改めて見る100円ショップやニトリにIKEA、時間がたりなくなりますしなにより、無駄遣いが始まります。ただし「こんなもの買わなくても….」とは言いません。「なにかに使いましょう」がわたしの仕事です。お買い物に付き合ってもいいですし、内装に関わっていたほうが効率が上がる、さてどちらにしましょう?店内に軽く家具が置けるようになってくれば、希望の業態から導いて声をかけておいた業者さんたちが入れ替わり立ち代わり訪れます。契約ラッシュです。お店の名前が決まっていればショップカードや個人のお名刺を制作してありますので、名刺交換タイムです。契約優先リストをお渡しするのでチェックが埋まっていくほど開店が近づいていくということです。
3-2.下地ができてくる
・内装からレイアウトへ
・点火!
・仲間探しやPR
内装工事の終わりが算段できてくれば、キッチンが使えるようになります。前項では飛ばしましたが不動産屋さんで賃貸契約をされている横でわたしは図面を見ながら厨房機器の選出をしていることでしょう。大きな木片や木くずや砂を片っ端からきれいにしていったところには家具や食器がどんどん運び込まれます。あれこれと配置をしてみて、小腹が空いたらなにか作って召し上がりましょう。こういう一日はあっという間に真夜中になり朝になり、楽しくて楽しくて家に帰らなくなります。うっかり今夜も店で寝ちゃって….「店長、朝ですよ!」そうだそうだ従業員さがしも並行していきましょう。もちろん、わたしも手立てを尽くします。面接に参加しても構いませんし、そのあいだにネット上の管理などをさせていただいても結構です。なにより最初の仲間、楽しみですね。現実的な金銭や給与面のことは、面接の際に使いやすいようにまとめておきます。人材育成という言葉が嫌いなのでここでは使用しませんが、そのあたりの審眼も持っておりますのでご安心ください。
3-3.完成間近
・様々な届け出
・保健所検査と営業許可証
・メニュー!
開業届や保健所の立ち入り予定日、消防関係、税務署などの各種手続きはわたしが請け負いますので、各書類へのサインや捺印が済んだら分かるところに置いててもらえれば持って出ます。細々した買い忘れがでてきていると思います。開店予定日を決めなきゃなぁ、というころには保健所の立ち入り検査が近づいていますので、この関所を越えるための最終チェックを行います。地味に当たりはずれのある部分(人によるということ)もありますが無事にパスできればもうオープンは目の前です。残すは一週間ほどです。メニュー表の下地が出来上がっておりますので、原価合わせをしながら料金の設定をいたしましょう。すでに地域の相場や価値感帯を調べてありますので、ベストな価格を提示いたします。ところでわたし「あなたのお料理をたくさんの方に」というコンセプトでおります。某シェフも唸る舌を持っております、嗅覚も抜群で手先と脳の器用さは異常です。味付けや盛り付け、なんだかしっくりこない時には遠慮なく仰ってください。「どうもバシッと決まりませんか?」とわたしからもお声がけをさせていただくこともあります。すべての相談役に御座います。さて、SNSのセッティングはOKですか?ご家族ご友人、お仲間への連絡はお済みですか?プレオープンでの様子見が必要と感じれば組み込みますし、その際のメニューを組み立てましょう。
4.いよいよオープン!
・眠れていますか?
さあ明日に迫ってまいりました。プレオープンでもオープンです。お祝いのお花が届いたり近所のおばあちゃんが覗きに来たり、お店の電話が鳴ったと思ったらさっそく「ネット回線をお安くいたしま….」要らない電話だったり、朝から大忙しです。わたしも時間のある限りは最終チェックに勤しんでおります、この夜は早めに切り上げて、スタッフさんたちと景気づけにお食事にでも行かれてはいかがでしょうか。では明日を楽しみに。おめでとうございます。
5.育っていく、あなたのお店
・てんやわんやはあたりまえ
・実感する手ごたえ
・パートナーとしてのその後のお付き合い
雨が降るだけでこんなに人の出入りが変わるのか….という日もありましたね。台風の日でも開店してみたり。仕込みを無理しすぎていませんか?まるでレジのお金が合わなかった、スタッフが怪我をしてしまった、お客さんとのトラブルができてしまった、近所に似たようなお店ができちゃった、なんでもわたしにお話しくださっていますか?毎日の売上を共有で管理いたします。決めた「締め日」から5日以内に前月の売上・経費その他をまとめた書類をお持ちして、上記などの近況報告をうかがいながらミーティングをしましょう。個人事業主であるあいだはわたしが会計整理に掛かりますので、毎月末にぱちぱち電卓を叩いて徹夜、ということにはなりません。売り上げのアップダウンは当然あります、気の保ち方・ヘコみ方もお話しいたしましょう。それからそうだ、毎月いちどは、わたしも予約をさせていただきます。友人を連れて、お邪魔します。その際にはよろしくどうぞ。
おわりに
あくまでスムースな「はじめてのお店」の運びを記述させていただきました。それはそれはトラブル続きな場合もございます。ただし、必ず解決することがわたしの仕事であり、それを生業にした理由でもあります。おにぎり屋さんが行列をなす昨今、あなたのとっておきのひと皿を、どこかのだれかにも召し上がっていただきませんか?
もちろん、現在ご活躍中のお店でのお困り事にも対応いたします。 内外装の修復・補修、厨房での不具合、売上の不足やメニューの相談。特にレシピへのテコ入れは秘密を厳守いたします。当ページへの記載もいたしませんのでご安心ください。
delmari の、マリさんでした。
2024/4/18